親和花園

 

 

たんぼの泥ん中にうずくまっとったツボどんが、もっこりと顔をだすわ。

 

あったかなったでなあ。ツボどんがのんびりしとると、カラスが見付けて

 

飛んでおりてきて、ツボの体中つっいぅて食べてまう。ほんだもんでツボどん

 

は、年中、泥ん中に　もぐずりこんだままさ。

 

 

 

つぼどん　つぼどん

 

お彼岸まゃぁりに

 

行か（行かゃぁ）せんか

 

カラスという　黒鳥が

 

足をつつき　目をつつき　

 

それで　ようまゃぁ（参）らんわゃぁーも

 

 

三月三日は上巳の節句　お雛さま

 

我が地方では

 

そのお雛さまにお供えするもののうち、おしもん（おこしもん）

 

もうひとつ　お供え物はが、ツボとわけぎ（分葱）を茹でて酢味噌

 

で和えたものだ。

 

ツボはカラスの好物なのだろうか、ともあれこの季節、ツボが一番

 

うまいのだろう。

 

ツボとはタニシの事で、田んぼの中で　成育する巻貝、田んぼの

 

水も温かくなり泥や水草の陰から顔を出す。畑には早春の野菜

 

ワケギが青々と育つ。この二つを合わせた季節の味を、お雛さまと

 

共に味わうというわけである。

 

いまは　農道も整備され田んぼの生き物もすっかり影を潜め、ツボ

 

採りなど出来なくなってしまった。子供のころ味わった味はもう　ありません、

 

ツボなど　幻の　食べ物なんでしょうか。

 

ツボの　変わりにイカか、　ちくわか　アオヤギか、、、、、、

 

自然の物、新鮮な物には　勝てないということか、

 

お雛さま　もうひとつ　貝　ご馳走に出てきます。

 

はまぐり　その　二枚貝の貝殻　二つ合わせると　合わせ目

 

ピタリと合うでしょうか、　別々の貝殻　合わせても　絶対合いませんと

 

これは夫婦相愛の　仕組み　他の物　かみ合いません、

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